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中央郵便局の保存、東西の差
阪急百貨店が完成し、大阪中央郵便局の解体が、ほぼ終わって、梅田の面影がすっかり変わりました。辛うじて阪神百貨店がまだ健在ですので、それを頼りに昔の土地勘を取り戻すしかありません。私自身の頭の中の梅田には、大阪駅の周辺の建物では、JR大阪駅の脇に、内部に優雅な装飾がある旧阪急百貨店が佇んでいます。阪神百貨店の周辺は終戦直後の雰囲気の呑み屋街が残るカオス的な空間です。大阪駅の北側には黒っぽいレンガで固められた大鉄局が、重々しく控えている。その後長らく、真新しい阪急グランドビルが、スラリとした姿でスマートに立つ姿と、大阪中央郵便局の堅実な印象に、何か一つ一つの建物だけではない、都市の魅力がありました。大阪中央郵便局は近代建築の代表ともいえる、スマートさと力強さとのバランスがとれ、高窓の開閉用金物一つにも魅力があるのに、普段は特に自己主張しないという感じが、大好きでした。

歴史的な建築物の魅力はあまり多く言わなくても、印象的なものだと思いますが、近代建築はデザインもシンプルですから、価値が解りにくいと思います。けれども最近の建築より、空間や材料の使い方が、贅沢というかゆとりがあるのです。忙しく通り過ぎる人々の多い梅田で、さほど目立たなかったかもしれない大阪中央郵便局は、ほんの少しだけ古い時代の仕事の仕方や物の考え方、お父さん達の実直な生き方をにじませていたような気がします。今は入口の一部を残すのみで地上から消えました。バランスに魅力のある名建築だと思うのに、入口だけで何が伝わるのかなと思います。あちこちにある、○○跡という石碑と同じ程度です。

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旧大阪中央郵便局

設計:吉田鉄郎 / 逓信省営繕課
施工:清水組(現・清水建設)
竣工:1939年(昭和14年)
用途:郵便局
構造:鉄筋コンクリート造
規模:6階建

当時の逓信省営繕課の吉田鉄郎による設計で、施工は清水組(現・清水建設)、1939年(昭和14年)竣工。西洋近代建築を脱却した現代建築であるとして、また、逓信建築の代表作品のひとつとして、高い評価を得ている。

荘厳なグレーのタイルの外壁、シャープな輪郭、階が高くなるにつれて窓が少なく、階高が低くなる割付けにも独自のモダンな美意識が表されている。

来日したドイツの建築家ブルーノ・タウトが、「伊勢神宮、桂離宮にも通じる合理性・機能性と美しさが融合した、モダニズムの傑作」と、この建物を高く評価した。
(Wikipediaよリ)

東京中央郵便局の保存に関して、当時の鳩山邦夫総務大臣が「重要文化財であるものを重要文化財でなくするというのは、朱鷺を焼き鳥にして食っちゃうような話でしょう」と発言されて、その結果保存部分が拡大したという経緯があります。首都東京の玄関廻りと、商都大阪の玄関では違うという見方もあるかも知れませんが、あまりに差がありすぎと思いませんか。設計図があるはずなので、一度壊しても、その良さを再現する設計もできるはず。大阪中央郵便局もトキのように大切にしてほしいなあと思います。

旧東京中央郵便局跡地に超高層タワーが完成 投稿者 samthavasa
2012年7月に完成したJPタワー

空は皆の共有財産ではなく、土地所有者の財源なんですね。とてもざっくりした感覚ですが、15階程度なら土地所有者の物と思いますが、無限に高い建物が林立したら狭苦しいですね。ある範囲より上空はやはり共有財産としたほうが、気持良いように思えます。容積率で規制されているでしょうが、見直しも必要では?

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JUGEMテーマ:建築
author:seiki, category:建築の保存・再生, 02:02
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